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とうじ魔とうじによるコラムなど
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先日『ふたたび ~SWING ME AGAIN』(監督:塩屋俊)という映画のマスコミ試写に行ってきた。とてもいい映画だった。泣けた!この作品は大まかに言えば二つの側面を持つ。一つには音楽(ジャズ)映画としての側面。そして、もう一つはハンセン病の問題を取り上げた社会派映画としての側面。両者を一つのストーリーに巧みに絡めた胸を打つドラマ(原作・脚本:矢代潤一)であり、見事なロードムービーであるとも言える。

50年前、若きジャズクインテットが憧れのステージ(ジャズクラブ『SONE』)でライブができる事になった。メンバーは大喜び。ところがライブ当日を待たずして、主人公・貴島健三郎(財津一郎)がハンセン病を発病する。ハンセン病は当時「らい病」と呼ばれ患者は迫害されていた。1953年「らい予防法」の制定で全ての患者が国立療養所に強制隔離された。1996年に同法は廃止されたが、患者に対する差別や偏見は解消されたとは言いがたい。療養所に入る貴島はバンドの仲間たちに、自分抜きでライブをやってくれと頼むが、メンバーたちは「待っているよ。病気が治ったら『SONE』でライブをやろう」と誓い合う。

50年後、療養所から帰った貴島は孫と二人で、散り散りになったかつてのメンバー(藤村俊二、犬塚弘、佐川満男)を訪ね歩く。みんな当然、住んでいる土地も違えば現在の境遇も違う。だが老人たちは奇蹟ともいえるライブを『SONE』で実現させるのだ。『SONE』は実在する神戸の老舗ジャズクラブ。僕はこの映画で初めて知った店だが、とてもいい風情を醸し出した素敵そうな店で、不肖ロートルミュージシャンの端くれである僕もステージに立ってみたくなった。20年後の自分を彼らにダブらせて見てしまいますな。『SONE』のマスター役は渡辺貞夫。ラストのライブシーンではナベサダも競演しています。

試写で頂いたプレスリリースがまた凝っていて、アナログレコード盤の紙ジャケット仕様。11月13日から全国ロードショーとの事なので、関心を持った人はぜひ!そうだ、明日の梅津和時さんのライブに招待されたから、梅津さんにも薦めてみようかな!?
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プロフィール

“目で見る音”をコンセプトに、楽器以外の日用品を使い独自のサウンド・パフォーマンスを行う傍ら、コラムの執筆、テレビ・ラジオ出演、講演会、プロデュース他、幅広く活動する特殊音楽家。1987年「たま」の知久寿焼、石川浩司らと「とうじ魔とうじバンド」を結成、ポップ幻想歌謡集『移動式女子高生』を発表。1989年、美術家の松本秋則、舞踏家の村田青朔とのユニット「文殊の知恵熱」を結成。互いのジャンルを超え、さまざまな発想と仕掛けで五感を刺激するパフォーマンスを展開中。

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