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とうじ魔とうじによるコラムなど
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新津美術館開館10周年おめでとうございます!
僕たちが開館記念事業として「文殊の知恵熱」というパフォーマンス・ユニットで公演をやらせて戴いて、あれからもう10年という月日が流れたのですね。
10年前の10月、僕たちは約1ヶ月近くの長期に渡って新津に滞在し、秋葉山会館という施設で大勢のスタッフたちと寝食を共にし、合宿のような生活をしながら『トラベリング◎リングズ』という公演を創り上げました。

10月生まれの僕は滞在期間中に39歳の誕生日を迎え、バースデーケーキでお祝いして戴きました。それまでは何の縁もなかった新津の皆様に囲まれて、30代最後の誕生日を祝福して戴けた事は、僕にとって忘れる事のできない一生の心の宝物です。このたび美術館が10周年を迎え、僕は今月40代最後の誕生日を迎えます。歳月の経つ早さを感じずにはいられません。

『トラベリング◎リングズ』は美術館の開館お披露目という事もあり、各展示室やギャラリーは勿論の事、エントランスからテラス、野外円形劇場、果ては美術館の裏山まで、まさに全館使った公演でした。裏山で行なわれているパフォーマンスを観客が美術館のテラスから遠望していると、次第に夜空が明るくなり裏山から満月が昇ってくるという、大自然まで取り込んだ演出でした。

この裏山のシーンには、忘れられない出来事があります。僕たちは前年の暮れに初めて新津を訪れ、まだ建設中の美術館を下見しました。その時に裏山のシーンは思いついたのです。ところが翌年の10月に、いざ現地入りしてみると山肌の草の丈がずっと高くなっていて、演者が草に埋もれてしまう始末。さあ困った。僕たちが途方に暮れていると、地元の一人のおじさんが草刈り機を持ってやって来て、ボランティアで草を全て刈ってくれたのです。お陰で僕たちは山のシーンを予定通りやる事ができました。感謝、感謝です。

草刈りを終えたおじさんが、僕たちと一緒に秋葉山会館でお茶を飲んでいた時の事です。秋葉山会館には地元ボランティアの女性たちが、連日代わる代わる僕らの食事を作りに来てくれていたのですが、その日の当番で来ていた一人のおばさんに、おじさんが声を掛けました。なんと二人は幼馴染みで何十年ぶりの再会だったそうです。一部始終を見ていた僕たちは思わず大笑いしてしまいました。

再会だけではありません。新たな“出会い”もありました。この公演で知り合い、結婚にまで至ったカップルが何組もあります。「文殊の知恵熱」の新津美術館開館記念企画『トラベリング◎リングズ』は、素敵な出会いで一杯でした。新津で、新津の皆様と過ごした日々…、楽しかった思い出が山ほどあって、まだまだ数えきれない程あって…。この手紙を書いていると記憶が蘇ります。これ以上書いたら、涙がでちゃいそうだから…、もう、やめるよ。

とうじ魔とうじ

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文殊の知恵熱が開館記念公演を上演した新潟市新津美術館の開館十周年を記念した企画「アーティストからの手紙」の展示が、11/11まで延長したそうです。
本日がとうじ魔氏の誕生日! せっかくなので手紙をご紹介しました。

他にも新津美術館ゆかりのアーティスト達がさまざまな手紙を寄せています。お近くの方はお立ち寄りを。

■2007年9月30日(日)〜11月11日(日) 月曜日休館
新潟市新津美術館 TEL.0250-25-1300
http://www.city.niigata.jp/info/naf/
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プロフィール

“目で見る音”をコンセプトに、楽器以外の日用品を使い独自のサウンド・パフォーマンスを行う傍ら、コラムの執筆、テレビ・ラジオ出演、講演会、プロデュース他、幅広く活動する特殊音楽家。1987年「たま」の知久寿焼、石川浩司らと「とうじ魔とうじバンド」を結成、ポップ幻想歌謡集『移動式女子高生』を発表。1989年、美術家の松本秋則、舞踏家の村田青朔とのユニット「文殊の知恵熱」を結成。互いのジャンルを超え、さまざまな発想と仕掛けで五感を刺激するパフォーマンスを展開中。

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